2つの理念と3つの原則

行政法は将来に向かっての法律関係の形成だから、それがよって立つ一般原則は重要である。

  1. 2つの理念
    • 自由主義的な意味
      • 私人の権利義務保護
      • 予測可能性・法的安定性
    • 民主主義的な意味
      • 国民の代表である国会が法律により決める。
  2. 3つの原則
    1. 法律の法規創造力の原則・・・私人の権利義務を規制できるのは法律だけ
    2. 法律の優位・・・法律に反する行政活動は許されない
    3. 法律の留保・・・行政活動には法律の根拠が必要

 

法律の留保の原則

  • 法律の留保原則の射程
    • 侵害留保説
      • 侵害性を持つ行政行為には法律の根拠は必要(これはベース)
    • 侵害行政から給付行政へ・・・どこまで法律の根拠が必要か?
      • 権力行政留保説・・・優越的地位を利用した活動だから法律の根拠が必要
      • 公行政(全部)留保説・・・機動的・弾力的行政ができなくなるからとれない
      •  重要事項留保説
    • 浦安漁港鉄杭撤去事件
      • 法律の根拠なく鉄杭を撤去したこと自体は違法
      • 緊急避難的措置として違法性阻却
      • 公金支出自体は違法とはならない。
  • 根拠規範・規制規範・組織規範
    • 法律の留保は根拠規範に基礎づけられるべき
    •  自動車一斉検問事件
      • 組織規範を基礎に侵害行政ができるか?

 

裁判による行政の統制

  •  法治主義と裁判
    • 裁判は法治主義を担当する最後の砦
  • 「法律上の争訟」
    • 裁判は法律上の争訟しか扱えない
    • 主観訴訟が原則・・・行訴法9条
  • 裁量行為
    • 行政法=将来に向かっての一般原理に基づく形成←具体化するには裁量が与えられる。
  • 裁量の諸類型
    • 専門技術的裁量と政治的裁量
    • 要件裁量と効果裁量
    • 手続裁量
    • 時の裁量
    • 行政行為裁量・行政立法裁量・行政計画裁量
  • 裁量行為の司法統制
    • 裁量の範囲内にある限り、裁量不審理の原則
    • 裁量権の逸脱・濫用の法理(行訴法30条)
      • 羈束行為の場合・・・判断代置的審査でよい
      •  裁量行為の場合・・・濫用逸脱の法理
        • 多数判例:
          •  事実誤認
          • 社会通念を超える著しい評価逸脱
        • 有力判例(公務員分限(最判s48.9.14)):
          • 無関係目的・動機
          • 事実認定の恣意性
          • 要考慮事項のバランスの誤り
          • 許容性を超える合理判断の逸脱
    • 裁量の司法審査の準則
      1. 事実誤認
      2. 目的違反・動機の不正
      3. 行政の一般原則違反
        • 平等原則違反
        • 比例原則違反
        • 信義則違反
      4. 判断過程の統制法理
        • 他事考慮の禁止、要考慮事項の考慮義務(日光太郎杉事件、伊方原発訴訟)
      5. 純粋手続過程の瑕疵の統制