定義

  1. (主体)行政庁のなす行為
  2. (客体)具体的な事項の規律
    • 一般的抽象的法規範の定立たる立法との違い
    • 特定・不特定を問わない
  3. 法効果の発生
    • 権利義務の形成とその範囲の確定
  4. 対外的行為
  5. 権力的行為
    • 優越的な意思の発動
      • 一方的変動
      • 取消争訟制度の排他的管轄=公定力
      • 事実としての支配力・・・罰則などによる担保

 

特殊な効力

行政行為は、公的目的のために権利義務変動させる。それを安定させるために以下の特殊な効力を設けた。

  • 規律力
    • 権利変動(一方的)
  • 公定力
    • (根拠)取消訴訟の排他的管轄⇒安定
    • (公定力が及ぶ射程範囲)
      • 刑事訴訟には及ばない
      • 国賠請求について公定力は及ばない
        • 行政目的達成とその安定性を趣旨とする公定力に、事後救済の国賠はそぐわない。
      • 民事訴訟にも及ばない
  • 不可争力(形式的確定力)
    • 争訟提訴期間が経過したら確定・・・私人は争えなくなる
    • 行政庁は撤回権限を行使しできる
    • 再申請は可。不可争力は当該処分が争えなくなるだけ
  • 自力執行力
    • 法律により根拠づけられる政策的効力
      • (対象)私人に義務を課す行政行為
      • (方法)法定の強制執行方法が適用できる場合
  • 不可変更力
    • 争訟裁断行為(準司法行為)で、行政庁は取消し・撤回・変更できなくなる効力

 

種類

  • 行政行為
    • 法律的行政行為
      • 命令的行為
        • 下命 × 免除
        • 禁止 × 許可
      • 形成的行為
        • 特許 × 剥奪
        • 認可
    • 準法律的行政行為
      • 確認
      • 公証
      • 通知
      • 受理

 

※行政行為の附款

  • (種類)
    • ①条件
    • ②期限
    • ➂負担
      • 行政行為本体に付加して特別の義務を課す附款
    • ④撤回権の留保
  • (存在意義)
    • 状況適合性機能、規制の弾力性および具体的妥当性の保障機能
    • 利益付与の拒否に対する代償的機能
  • (附款の統制)
    • (実体法的統制)法律の根拠あるいは行政の裁量が認められる場合
    • (裁判的統制)
      • 附款の取消・無効確認訴訟
        • 可分な場合のみ可
      • 附款の付かない行政行為をなすべきことの義務付け訴訟

 

効力発生と消滅・・・実体法的統制

  • 行政行為の形式
    • 不要式性の原則・・・口頭でも可
    • (不利益的行政行為の場合)
      • 書面による通知書の作成
      • 書面による理由の提示
  • 行政行為の効力の発生
    • 名宛人に到達したとき効力発生
      • 名宛人の居所不明の場合でも、公示送達(民98)は使えない。
    • 一般処分の効力発生・・・告示
  • 行政行為の効力の消滅
    • 時の経過・一定の事実の発生
      • 時が経過しても更新性と認められる場合もある(東京12チャンネル事件)
    • 取消裁決
    • 取消し・撤回
  • 行政行為の(職権)取消しと撤回
    • 職権取消しと撤回の区別
      • 行政行為時に瑕疵がある場合⇒職権取消し
      • 後発的事由による場合⇒撤回
    • 共通点
      • 機能が一緒、既得権保護が問題となる。
    • 相違点
      • 撤回は瑕疵がなくてもできる。
      • 効果は、撤回は将来効のみ
      • 上級庁は撤回できない
      • (法律の根拠)
        • 取消し、不利益処分の撤回は問題ない
        • 利益処分の撤回についてはあ争いあり。
    • 職権取消し・撤回の制限と補償
      • 撤回権制限の法理
      • 不可変更力がある行政行為は職権取消し・撤回は許されない。

 

手続法的統制

  • 行政手続法の定める行政処分手続の概要
    • 適正手続の原理・・・手続的統制の一般法
    • 適用除外・・・かなりの行政手続きが適用除外
    • (限界)第三者への配慮が不十分・・・10条、17条
  • 申請に対する処分手続
    • 審査基準の設定と公開(5条)
      • 設定義務
      • 設定するには、意見公募制度
    • 標準処理期間の設定と公開(6条)
      • 努力義務
      • 設定したら公にする義務
    • 申請に対する審査・応答を迅速になす義務(7条・11条)
      • 到達=迅速処理義務・・・受理というあいまいな概念を否定した
    • 申請者等に対する情報提供義務(9条)
      • 努力義務
    • 申請を拒否する場合の理由提示(8条)
      • (法的意義)
        • 恣意抑制機能
        • 不服申立ての便宜機能
      • 事実と根拠法上は明らかにしなければならない。
        • 理由の追加変更は許される。
        • 根拠法上のみの提示では違法(旅券発給拒否事件)
    • 利害関係第三者の考慮(10条)
      • 公聴会開催の努力義務
    • 申請処理手続きにおける意見の聴取の必要性
      • 不利益処分とは異なり、必要性はないのが原則
  •  不利益処分手続
    • 処分基準の設定と公開(12条)
      • 設定は努力義務
    • 名宛人となるべき者の意見陳述のための手続としての、聴聞と弁明の機会の付与(13条)
      • 不利益の度合いが大きい(地位・資格の剥奪)→聴聞手続・・・口頭審査
      • 不利益の度合いが小さい(業務改善命令など)→弁明手続・・・書面審査
        • 聴聞手続
          1. 名宛人への聴聞の通知
          2. 当事者の資料閲覧権
          3. 聴聞期日の審理
          4. 利害関係人の参加
          5. 聴聞調書・報告書による決定
          6. 不服申立ての制限
        • 弁明手続
          1. 名宛人への通知
          2. 弁明の方式
            • 資料閲覧権は認められない
          3. 弁明にも続く決定
    • 処分理由の提示(14条)
      • 申請拒否処分と異なり、理由の追加・差替えは認められない。

 

行政行為の瑕疵・・・裁判的統制①

  • 行政行為の瑕疵の種類
    • 瑕疵の種類
      • 不当=取消自由
        • 不服申立手続においてのみ争うことができる。訴訟では争えない。
      • 違法=取消自由
        • 不服申立手続きのほか、取消訴訟で争える。
      • 違法=無効自由
        • 無効等確認訴訟(出訴期間の制限なし)、民事訴訟、公法上の当事者訴訟で争う。
    • 瑕疵の分類
      • (発生時期)原始的瑕疵・後発的瑕疵
      • (所在)主体・形式・手続・内容・判断過程
  • 行政行為の無効と取消しの区別
    • 行政行為には公定力があるため、違法な行為も権限ある機関による取消しがあるまで有効
    • 行政行為には不可争力があるため、違法な行為も争訟提起期間が徒過すれば効力を保持し続ける。
    • 違法な行政行為に無効事由があれば、出訴期間が徒過しても無効確認訴訟で争える。
    • (行政行為の無効と取消しの区別=無効事由たる瑕疵の判断基準)
      • 無効=重大かつ明白な瑕疵(判例)
        • 瑕疵の明白性=外見上一見明白かどうか
      • 明白性補充要件説(譲渡所得課税無効事件)
        • 処分の性質上第三者の信頼を保護する必要がない事案においては、明白性の要件がなくとも無効と認める。
  • 手続の瑕疵の効果
    • 手続瑕疵は取消し原因になるか?・・・申請拒否処分か不利益処分かで異なる
      • 申請拒否処分(最判:タクシー事業免許事件)
        • 処分の内容に影響を及ぼす場合は、取消事由になる
          • 取消により元に戻るだけ
          • 新たな許可が降りなければ目的は達成されない
      •  不利益処分(下級審:ニコニコタクシー事件)
        •  結論が変わろうが変わるまいが取消原因となる
          • 取消により不利益が除去される。
          • 取消により目的達成
          • 取消によるサンクションが必要不利益処分
  • 行政行為の瑕疵の動態
    • 瑕疵の治癒
      • 法律による行政の原理の例外として限定的に認める。
        • 事後に実質的是正
        • 軽微で手続きが進められた
    • 違法行為の転換
      • 同一性(目的・要件・手続・効果)があり、相手方の利益を害さない場合のみ限定的に認める。
    • 違法性の承継
      • 目的の同一性と実質的一体性があれば、先行行為の瑕疵は後行行為に承継される。
        • 先行行為の出訴期間が経過したとしても、後行行為に瑕疵は承継され、後行行為の争訟で争える。
          • 出訴期間破りとなるため、厳格な要件で認める
            • 目的の同一性+実質的一体性
            • 手続保障が十分ではなかったこと

行政行為の裁量・・・裁判的統制②

  • 行政行為の裁量の意味
    • 要件裁量と効果裁量
      • (行政行為のプロセス)
        • 法の解釈
        • 事実認定
        • 法の適用
          • ←要件裁量(マクリーン事件・宅建業法事件)
        • 行政行為の有無・内容の決定
          • ←効果裁量(神戸税関事件)
    • 自由裁量と羈束裁量
      • どのような場合に要件裁量が認められるか?
        • 規定ぶりでは決まらない。法の趣旨内容から考える。
        • 広く要件裁量を認め、裁量の逸脱濫用の法理で制約する。
    • 時の裁量と手続裁量
  • 裁量の司法統制の準則
    • 羈束行為・・・判断代置審査
    • 裁量行為
      • 事実誤認
      • 評価・・・社会観念上妥当か否か
      • 動機・目的
      • 恣意性
      • 他事考慮
      • 社会的判断の誤り
    • <裁量の司法審査の準則>
      1. 事実誤認
      2. 目的違反・動機の不正
      3. 行政上の一般法原則違反
      4. 判断過程の統制法理
        • 呉市学校施設使用不許可事件
      5. 純粋手続過程の瑕疵の統制