処分性(取消訴訟の対象)

  • 処分性の意義
    • 「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」
      1. 公権力の行使として
      2. 権利義務変動・範囲確定
  • 公権力性
    • 実質的に契約関係でも処分性が認められる場合
      • 供託物取戻請求の却下
      • 補助金の支給決定
    • 公共施設の設置管理行為
      • 公権力の行使ではないから抗告訴訟になじまない
        • ただし、例外あり。以下の訴訟で民事差止訴訟を許さなかった。
          • 国際空港等の設置
          • 自衛隊機の発着差止
  • 法的効果
    • 事実行為には処分性否定
      • 診療報酬を不正に請求した指定医に対する戒告
        • 何故ならば法的効果を伴わないから
    • 例外:
      • 権力的事実行為で継続的性質を有するもの
      • 事実行為だが、行政過程のしくみの中で処分性が認められるもの
        • 関税定率法(エロ本の輸入禁止=観念の通知)
        • 食品衛生法違反の通知
        • 病院設置中止勧告=行政指導
  • 外部性
    • 行為の効果が行政内部にとどまるときは処分性否定
      • 訓令・通達
        • 墓地埋葬通達事件
        • 建築許可に対する消防庁の同意
      • ※行政立法の裁判的統制
    • 例外
      • 函数尺事件
        • ※公法上の当事者訴訟でも争える
  • 成熟性(個別具体性)
    • 一般的抽象的行為
      • 行政立法、行政計画の裁判的統制
        • 原則処分性なし
          • 小学校を廃止する条例
          • 水道料金を値上げする条例
        • 例外
          • 診療報酬
          • 保育所廃止(横浜市保育所廃止条例事件)
            • 3つのファクター・・・小学校廃止条例判決との違い
              • 保護者による保育所の選択が「制度上保障」されている
              • 対象の特定性・・・特定の保育園を廃止している
              • 取消訴訟での解決が合理的(紛争解決の合理性)
          • みなし道路の一括指定
    • 段階的行為
      • 事業計画
        • 青写真判決(最大判s41.2.23)
        • 平成20年大法廷判決(最大判h20.9.10)
          • 計画段階で争われることにした
          • 事業計画に先立つ都市計画は射程外

 

原告適格

  • 意義
    • 定義
    • 処分の名宛人以外に原告適格は認められるか?
      • 法律上保護された利益説
        • 9条1項
      • 保護に値する利益説
  • 原告適格が問題となる場合の論述の展開
    1. 法律上保護された利益を有する者
    2. 自己の法益の侵害・侵害危険
    3. 一般的公益に解消されることなく、個別的利益により保護されているか?
    4. 9条2項→あてはめ
      • 根拠法規の文言
      • 趣旨・目的+関連法令の趣旨・目的
      • 保護利益の内容・性質
      • 被侵害利益の内容・性質と侵害態様・程度
        • ※特別な救済規定の存在、意見を述べる機会はあるか?
        • ※鞆の浦事件
          • 関連法令に踏み込んで個別的利益を認めた

 

訴えの利益(狭義)

  • 意義
    • (判例)除名処分の取消訴訟で議員の期間満了・・・報酬請求権があるから訴えの利益はある
  • 訴えの利益の消滅が問題となる場合
    • 係争処分が職権で撤回
      • 訴えの利益がなくなる
    • 保安林指定解除
    • 朝日訴訟
    • 建築確認中に工事完了
    • 東京12チャンネル事件
      • 期間が過ぎても訴えの利益あり
    • 成田新法事件
      • 訴えの利益なし
  • 回復すべき法律上の利益
    1. 実体法上の請求権
      • 地方議員
    2. 法規の定める効果
      • 弁護士会
    3. 名誉侵害
      • 運転免許停止処分取り消し訴訟
        • 名誉のためだけの処分の取り消しは認めない
    4. 反復の危険
      • 反復の危険だけでは訴えの利益なし

 

被告適格

  • 行政庁主義から行政主体主義
    • 行訴法11条1項
    • ただし、11条2項
  • 被告を誤った時の救済規定
    • 15条

 

管轄裁判所

  • 事物管轄
    • 地方裁判所
      • 簡裁は管轄を持たない
  • 土地管轄
    • 被告の普通裁判籍あるいは処分行政庁の所在地
      • 12条1項
      • (例外3つ)
        • 不動産
        • 事案の処分に当たった下級行政機関の所在地
        • 国または独立行政法人等が被告となる場合(2004改正)
          • 特定管轄裁判所

 

不服申立前置

  • 趣旨
    •  早期解決・争点明確化
  • 原則:不採用、例外:不服申立前置
    • 実態は原則と例外が逆転
      • 不服申立をしなくても直ちに訴訟を提起できる場合(3つ)8条2項
        • 不服申立があった日から3か月経過しても裁決がない
        • 処分による著しい損害を避けるため緊急の必要がある
        • 裁決を経ないことに正当な理由があるとき

 

出訴期間

  • 主観的出訴期間
    • 処分があったことを知った日から6か月以内
  • 客観的出訴期間
    • 処分の日から1年
  • (例外)=正当な理由がある場合
    • 天災
    • 出訴期間の誤った教示

 

教示制度

  •  2004年に新設
  • 46条1項
  • 裁決主義 46条2項
    • 口頭はダメ、書面による
  • 救済規定はない
  • 第三者は教示の対象とされていない