• 任務懈怠責任の要件(原則形)
    • 423条1項
      • ①役員等
      • ②任務懈怠(法令違反・定款違反・善管注意義務違反等)
      • ➂故意・過失
        • 利益相反の直接取引をした取締役の無過失責任を定める428条1項の反対解釈
          • これ以外の場合には、任務懈怠責任を追及するためには帰責事由が必要
      • ④損害の発生および額
      • ⑤②と④の間の因果関係
        • ※名目的取締役の場合、適切な行為をしても損害が発生したとして因果関係が否定されるかも
    • ※忠実義務(355条)は、善管注意義務(330条、民644条)の内容を具体化したもの。両者の内容は同質。
      • 本来の意味:会社と取締役との利益衝突の場面で、自己の利益を図らない義務
    • ※法令違反行為の場合は、任務懈怠と過失は別に判断する。
      • 定款違反・善管注意義務違反=過失あり
      • 裁判では、法令違反行為とされたが、経済産業省の指導に従って取引していた
        • 法令違反はあるが、過失はない。
  • 経営判断原則
    • 意義:
      • 裁判所は経営判断に事後介入しえないという原則
    • 要件:
      • ①行為時において
      • ②業界における通常の経営者を基準として
      • ➂事実認識と意思決定に不合理な点がなければ
    • 効果:
      • 役員の任務懈怠は否定される。
    • 理由:
      • 経営はある程度リスクを伴うものであり、結果のみで責任を問うと経営を萎縮させる
    • 注意:
      • 故意の法令違反行為や会社と取締役との利益衝突の場面では適用されない。
  • その他
    • ※内部統制システム構築義務
      • 取締役会設置会社:
        • 取締役会は取締役に内部統制システム構築を委任できない(362条4項6号)
        • 大会社は、内部統制システム構築義務を負う(362条5項)
      • 取締役会非設置会社:
        • 内部統制システム構築は各取締役に委任できない(348条3項4号)
        • 大会社は、内部統制システム構築義務を負う(348条4項)
    • ※退職予定の取締役による従業員の引き抜き
      • 従業員の職業選択の自由を考慮して、不当な態様によるもののみが忠実義務違反となる。