(1)変態設立事項

  • 現物出資(28条1号)
  • 財産引受(28条2号)
  • 発起人の報酬(28条3号)
  • 設立費用(28条4号)

 

(2)発起人の権限の範囲

  • (問題)発起人が、将来の会社のためにオフィスを譲り受けた。代金を売主は将来の会社に請求できるか?
    • 設立中の会社の法的性質は何か?
      • 設立中の会社が成長して、完全な株式会社となるから、設立中の会社と成立後の会社は実質的に同一である(同一性説)。
    • 設立中の会社の実質的権利能力はどこまでか?
      • 会社の形成・設立それ自体を目的とする行為に限られる。
        • ただし、法定の要件を満たした財産引受(28条2号)は、特別に会社の実質的権利能力の範囲に入る。
      • ※厳格な設立規制の趣旨を徹底。一方、法は、有用な財産引受は厳格な制限の下に特別に認めた。
    • 設立中の会社の発起人の権限はどこまでか?
      • 会社の形成・設立それ自体を目的とする行為に限られる。
        • ただし、法定の要件を満たした財産引受(28条2号)は、特別に会社の実質的権利能力の範囲に入る。
      • ※厳格な設立規制の趣旨を徹底。一方、法は、有用な財産引受は厳格な制限の下に特別に認めた。
    • 法定手続きを欠いた財産引受を成立後の会社は追認できるか?
      • 会社の権利能力の範囲内でも、発起人の権限内でもなく、絶対的無効であり追認できない。
      • ※再契約、債務引受は可

 

(3)預合い

  • 定義
    • 発起人が払込取扱銀行から金銭を借入れ 、これを設立中の会社の預金に振り替えて株式の払込にあてるが、その借入金を返済するまではその預金を引き出さないことを約すること
      • ※単に帳簿上の操作、銀行と発起人の間で行う。
  • 罰則・・・預合いの罪(965条)
  • ※保管証明書を交付した払込取扱銀行は、払い込まれた金銭の返還に制限があることを成立後の会社に対抗できない(64条2項)。
  • 効果
    • 預合いによる払込は、34条の払込として無効。∵会社債権者保護の観点から

 

(4)見せ金

  • 定義
    • 発起人が払込取扱銀行以外の者から金銭を借り入れて株式の払込にあて、会社の成立後にこれを引き出してその借入金を返済すること
      • ※三者間で行われ、形式的には金銭の移動がある。
    • 仮装払込である見せ金と通常の払込の区別
      • ①会社成立後、借入金を返済するまでの期間の長短
      • ②払戻金が会社資金として運用された事実の有無
      • ➂借入金の返済が会社の資金関係に及ぼす影響
      • →以上を総合考慮して決定
  • 効果
    • 仮装払込の一環であり、預合いの潜脱行為であるから、無効
    • 出資の履行を仮装した場合の責任(52条の2)←H26改正で追加

 

(5)その他

  • 事後設立(467条1項5号)
    • 株主総会の特別決議が必要(309条2項11号)
      • ※現物出資に関する規制の潜脱の可能性があるから

 

(6)訴訟

  • ①設立無効の訴え(828条1項1号)
    • 原告適格
      • 828条2項1号
    • 無効原因
      • 企業維持の理念から、設立手続きの重大な瑕疵に限る。
        • 定款が全く作成されていない
        • 定款の絶対的記載事項が欠けている
        • 出資の最低額に満たない
        • 定款が公証人の認証を欠く
        • 設立登記が無効、等
    • ※設立取消しの訴え(832条)は、持分会社のみに認められる
  • ②会社の不存在確認
    • いつでもだれでも訴えの利益ある限り提訴可
  • ➂不足額支払義務(52条)
  • ④任務懈怠(53条)
  • ⑤会社不成立の場合の発起人の責任(56条)